「グランドフィナーレ」  鑑賞28

 
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「グランドフィナーレ」を池袋シネリーブルで観る。
ここはアニメを多く上映してるとこなので、
ここでこういう渋い作品をやってるのが不思議。
だからいつもはオタクっぽい兄ちゃんらが多いのに、今回は年配者が多い。
そういう作品だが、この邦題にみな騙されている。
じつはこちらも音楽界の老境になった指揮者の内幕みたいなものかなと思って期待していた。
ところが全然違った。
でもこれはこれでユニークな演出が新鮮で見応えある。
なんといってもマイケル・ケインはじめ、豪華なスターの共演とあっては見逃せない。
かなり不親切な展開だが、こういう作品を見る人には分かる内容。
第一、原作は「Youth」だから”青春”みたいなこと。
老境になった主人公らはもう一度花を咲かせたいと願うが、
その気力も環境もままならない。
こいつら大人だから平気で嘘をつく。大人だな。
  スイスのリゾートホテル。
老人ばかりいるから、てっきり老人ホームか
温泉もあるからサナトリウムと思ったが、若い人も客としている。
そう、ここはスイスの超高級ホテルだった。
夏の間のバカンスかなんだか知らないがセレブ達の優雅な休日が描かれる。
まあ「マリーゴールドホテル」の豪華版というところかな。
 その中に世界的に有名なイギリスの指揮者フレッド・バリンジャー(マイケル・ケイン)がいた。
80歳になり、一線から退いて、優雅な晩年を過ごす日々だが、なにやら憂いがある。
それは亡くなった妻を思う日々のようだ。
そんな時、イギリス政府からフィリップ殿下のために
女王陛下直々に彼の名曲「シンプルソング」を指揮して欲しいと依頼が来る。
しかし頑なに断る。
フレッドの友人で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)は現役にこだわって
ここでスタッフらと新作映画の企画に精を出している。
ここにはハリウッドのスター、ジミー(ポール・ダノ)も滞在していた。
彼はロボット映画で有名になったが、それしかなくて悶々としている。
なんだか「SW」のC3POとかなんとかみたい。
でも「ミスターQ」ということらしい。
そのほかにもこのホテルにはいわくありげな人が多く滞在している。
そんな群像の中、メインはミックとフレッドを中心に描く。
いつ、演奏会が出てくるかと思っていたが、まったくない。
そうなんだ、
このあたりで邦題に騙されていたことを気付かされる。
それはどうでもいいことで、
ここにいる人たちの一件優雅な世界はあやふやなものと気付かされる。
フレッドの娘レナ(レイチェル・ワイズ)とミックの息子の結婚が破綻。
レイチェル・ワイズがここでは若々しく感じるほどの、環境ってことだ。
一言も話さない夫婦のこと、
ミスユニットバスいやミスユニバース(吉本ギャグ)の存在や、
登山家やマラドーナみたいな人などのことなど
いろいろなオムニバスが繰り広げられる。
その描き方が不親切。
どういう意図で撮ったかわからないショットが多すぎる。
でも後で見返すと意味があるような気がする。
でもよくわからん。
ミックの最後の望みの大女優とのやりとりも意味があった。
このケバいばあさんは誰だろうと思ったら、
なんとジェーン・フォンダだった(この人もそろそろ80歳)。驚いたぞ。
それらがフレッドの意識を変える。
そして亡き妻のこともわかる。
ここがひとことの説明もないまま行く。
これがいいね。
これが上等の映画だ。
フレッドの秘めた思いが一気に分かる。
このクライマックスの何も説明のないショットが愛おしい。
これが映画だ。
よく見ておけ日本映画。


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