「ミナリ」    2020年アメリカ

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「ミナリ」
韓国映画だと思ったらアメリカ作品だった。
アカデミー賞、の声もあるので期待していた。
「パラサイト」のようなものを想像していたが違った。
たしかにじわりとくるが、それほど驚きも感動もない。
キリスト教をベースにした家族愛と
アメリカの奥深さをじわり感じる。
80年代
アメリカの田舎に若い韓国系移民一家が住み始める。
周りは何もないところで、森と草原が広がっている。
ここで農業で一旗揚げようと思うのだが
荒れた土地では思うようにいかない。
物語は4人家族の日常を淡々と丁寧に描く。
こんなところでの生活に、奥さんの不満が時折爆発しケンカになる。
理想と現実がぶつかる。
教会に出向いてコミュニケーションを図ろうとするが
なかなかうまくいかない。
随所にキリスト教の匂いがする。
子供達には友達ができるが、大人たちはそうはならない。
どこに住んでいるかわからないが、
ポールという地元人が手伝い始める。
これがウイル・パットンだった。
変わり者のようで、彼にも友人はいなさそう。
両親は近くの孵卵場でひよこの選別をする。
ジェイコブは休みには農場開拓に余念がない。
家族のことよりも農場のことに積極的なので
奥さんは不満がたまる。
子供の面倒を見てもらうために、韓国から母を呼ぶ。
このおばあさんがちょっと変わり者。
キリスト教をベースにしてるようで、このおばあさんが
知恵と試練を与えるような存在になっている。
彼女はセリを植えようとする。
このセリのことを韓国語で”ミナリ”というようだ。
身なり、ではなかった。
セリは韓国では料理によく使われるそうで、ナムルなどが有名。
ミナリは土地に根ずくことを意味している。
祖母からのメッセージが子供達に伝わっていく。
不毛の土地で苦労するのだが、そのあたりがもうひとつ足りない。







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あらすじネタバレ

























1980年代
アメリカ、アーカンソー州
何もない高原にやってきた韓国人移民の4人家族。
そこにはトレーラーハウスしかない。
憧れの土地に来たという夫のジェイコブは、
これが新しい家だ、と自慢する。
妻モニカは憮然とし、ふたりの子供は喜ぶ。
ジェイコブは土がいいこの土地で大きな農園を作るという。
ジェイコブとモニカは孵卵場へと出勤、
ジェイコブはカリフォルニアでヒヨコ鑑別の職人を10年続けていた。
それに飽きて、農業で成功することにしたのだ。
3年間はヒヨコ鑑別と兼業して韓国野菜の栽培をし、
いずれ農業で大金持ちになると夢見てる。
年間3万人もの移住があるから、韓国野菜の需要はあるはずだ。
しかし、購入した土地は誰も買いたがらないところだった。
地元の雑貨屋の男は、前任者は自殺したという。
水がないので野菜が枯れる、
井戸を掘ろうとすると、水探し人に300ドルを要求される。
やむなく自分で井戸を掘る。
そして3000ドルでトラクターを地元のポールから買う。
ポールは変わり者で仲間もいないらしく
ジェイコブに手伝いたいと申し込み、
ナスやパプリカ、トウガラシなどを順調に育てていく。
 夫婦はモニカの母スンジャを韓国から呼び寄せて、
子供たちの世話をしてもらうことにした。
デビッドは、クッキーを焼いてくれる
やさしいオモニを期待していたが、料理は全くせず
口が悪いしテレビのプロレスばかり見ている。
唯一の特技は花札だった。
一家は日曜に教会に行き、地元の人たちと交流を図る。
そこでデビッドやアンに友達もできる。
帰り道、ポールが大きな十字架を担いで歩いているのを見る、
彼なりのキリスト賛歌らしい。
 ある日、土が乾いて農作物がだめになっていた。
井戸水が枯れてしまったのだった。
やむなく水道から水をとるが、今度は飲み水にも困る。
ジェイコブは資金繰りに頭を抱えるモニカに
もし失敗したら出て行ってもかまわないという。
モニカは仕事よりもよりも家族が一緒のほうが大事だという。
また、心臓の持病を抱えている7歳の息子デビッドのことも心配で
病院まで1時間もかかると、夫婦ケンカが絶えない。
そんな両親を悲しい目で娘アンと息子のデビッドは見ている。
がさつな祖母スンジャを嫌っていたデビッドだったが
漢方薬のかわりに小便を飲ませたことで、仲良くなる。
 両親から禁止されている小川のほとりに3人で出かける。
ヘビがいるから危険というアンだったが、
スンジャはここにミナリ(セリ)を植えるという。
そしてデビッドがヘビを見つけると、
「見えるものは怖くない、見えないものが怖いのだよ」という。
 ある日、デビッドは心臓が悪いという両親の会話を立ち聞きし
不安で眠れなくなる。
そんなデビッドをスンジャは優しく抱き寄せる。
ところがその翌朝、デビッドが目を覚ますと、
一緒に寝ていたスンジャは失禁して目がうつろだった。
脳卒中だった。
スンジャの介護もあって歩行がやや困難になるものの回復する。
 野菜も順調に育ち、街の韓国人に売り込むことにしていたが
電話で断りの電話が来る。
がっかりしたジェイコブだが、ポールから他があると励まされる。
翌日、デビッドの診察のため家族は街の病院へ行く。
スンジャはひとり留守番をすることに。
デビッドの心臓は奇跡的にも回復をし始めていた。
地元の水が良かったかもしれないと言われる。
韓国の食材を扱う店での商談もまとまり
ようやく家族に希望が見えたと喜ぶジェイコブ。
しかし、モニカは「家を出る」と告げる。
モニカは家族を考えない夫と、苦しい生活に
すっかり疲弊し我慢の限界に達していたのだった。
ふたりを心配そうに車から見る子供たち。
 そのころ、不自由な手でドラム缶でゴミを焼いていたスンジャは
風にあおられた火が納屋に移るのを止められないでいた。
 夜になって帰ってきた一家は、何かが燃えているような匂いに気づく。
農作物が保管してある小屋が炎に包まれていた。
燃え盛る炎の中、ジェイコブは少しでも使える農作物を救い出そうとする。
ジェイコブのあとを追うようにモニカも手伝うが
炎の勢いが強く、逃げ出すのが精一杯だった。
小屋は灰になってしまい、全て無くなった。
スンジャは責任を痛感し放心状態、ふたりの子供はお家にかえろうという。
 地下水のある場所を見つけるため、専門家に頼み井戸を掘ることにする。
そこにはモニカもいっしょにいた。
デビッドに誘われて小川のほとりに向かったジェイコブが見たのは、
青々と生い茂るミナリ。
力強く根を張り生きるミナリの姿に生きる力を感じる。
最後に「世界のおばあちゃんに捧ぐ」とテロップ。




監督:リー・アイザック・チョン

スティーヴン・ユァン(ジェイコブ・イー)
ハン・イェリ(モニカ・イー)
アラン・キム(デビッド・イー)
ケイト・チョー(アン・イー)
ユン・ヨジョン(スンジャ)
ウィル・パットン(ポール)
スコット・ヘイズ(ビリー)

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