「ミッション・マンガル」  2019年インド

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「ミッション・マンガル」
新宿ピカでもやってるが、都内には行きたくはない。
そこでイオンシネマ大宮に行く。
ロビーに人もいないし、観客は2−3人なので三密とは無縁。
やっぱりインド映画は面白い。
まさかの宇宙開発物語が、こういう楽しいエンタメになるとは。
インドは中国に次ぐ宇宙大国であることは知っている。
原爆も保有し、優秀なエンジニアを世界に放っている。
そのインドの宇宙開発が垣間見られるのは楽しい。
インドは60年代から宇宙開発に乗り出しており
90年代末には商業衛星を打ち上げている。
その際インド宇宙研究機構(ISRO)が設立され
今度は月を目指す。
それが2008年に成功した”チャンドラヤーン”
チャンドラは月のことで、ヤーンは乗り物のことらしい。
しかしその後、大型ロケットの打ち上げに失敗しており
この映画の冒頭でも描かれている。
ロケットをロシア製から国産にしたことが原因らしい。
責任者のラケーシュは解任される。
そこから、この映画が始まる。
「世界がまだやってない火星に行こう」
予算も人員もないが、アイデアと熱意で立ち向かう様は、
まるで日本のスポ根のよう。
実際の話を、うまくエンタメ化してるのはうまい。
個性的な技術者が来るが、どれも問題を抱えていそう。
女性の技術者が多いのもインドならでは。
女性の地位が下に見られていそうなインドだらかもしれないが
女性の活躍をメインに持ってきたのも今的。
日本と違い、女性だからという差別はない。
優秀な人間として接しているのが気持ちいい。
彼女らは、妊娠してたり、家を追い出されたり、
恋人が戦地へ行ってたり、いろいろな男と関係していたりと
悩みが多い。
男性スタッフも童貞を悩む男や引退間際のエンジニアがいる。
リーダー格のタラも家族のことで忙しい。
そんな彼らを集めるところなど「七人の侍」を思い起こす。
責任者のラケーシュ(アクシャイ・クマール)が楽観的なので救われる。
この人、一目で傑作「パッドマン」だとわかった。
製作スタッフが「パッドマン」だったので納得。
アクシャイ・クマールは大柄ながら人の良さが体から染み出してる。
彼も実在の人物で、普通なら窓際に追いやられたら凹むのだが
よけいにエネルギッシュになる。
無謀とも言われる火星探査衛星の開発に奔走する。
スタッフにやる気にないのを、目覚めさせるのがいい。
これは主婦ならではのタラだった。
科学者の原点を思い起こさせるシーンはぐっとくる。
誰もが夢を描いていた幼い頃。
自分も望遠鏡を覗いて土星を見たときから
宇宙に興味が湧いたから、よくわかる。
本来ならそっちに行きたかったが漫画という夢もあった。
やる気になったスタッフだが、予算がない。
そこはアイデアで乗り切る。
この辺りも映画的でいい。
日本でも「はやぶさ」を題材に似たような作品が作られたが
演技がクサいし構成が甘かった。
妙に人間をオーバーに描くので観てられなかった。
しかし、インド映画は優秀、全てが映画的。
それぞれの個性が描かれ、そのアイデア発想も自然。
片付け上手な女性は衛星のコンパクト化に役立つし
推進力が弱いのを揚げパンの要領で乗り切り、
軽量化にはプラゴミを採用、
燃料が足りないとこをセイルで乗り切るとか、
軽量化のためアンテナを網にするとか、
チャンドラヤーンの部品を流用とか、アイデア満載。
お約束のダンスも時折入って楽しめる。
やっぱりこれがないとインド映画らしくない。
 マンガルヤーンは”火星宇宙船”のこと
1年半の短い開発で、2013年無事打ち上げられるシーンは
成功したとわかっているけどゾクゾクする。
うまくCGを使って「アポロ11」のようにリアルに
ハリウッド的に作ってある。
チャンドラヤーン成功したのはなんとなく知ってはいるが
アメリカの衛星のようには知らない。
打ち上げ後の度重なる試練を乗り越えるとこなどドキドキする。
「パットマン」同様、昔の「プロジェクトX」を
エンタメ化させた感じなのだが
人間をうまく描いているから、ついつい感涙してしまった。

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あらすじネタバレ


























2010年インド・ベンガルール
タラ・シンデは忙しく家事をしている。
家政婦が休みらしく、家族の朝の支度で忙しい。
そして車で仕事場に向かう。
彼女の勤めているのはインド宇宙研究機構(ISRO)で
ロケット打ち上げの主任をしている。
そのチームでいよいよGSLVロケットの打ち上げの日を迎え、
チームの責任者ラケーシュ・ダワンは興奮していた。
チェックの際、タラは小さな温度変化を気にしたが
気温のせいと思いGOサインを出す。
打ち上げは成功したかに見えたが、
ロケットが火災をお起こしたため自爆指示をして失敗する。
ラケーシュは自らの責任だとして会見に臨み、
上司であるISRO総裁やニューデリーでの聴聞会で叱責を受ける。
ラケーシュはNASAに行っていたルパートに地位を奪われ
タラと共に火星探査計画部門へと追いやられる。
そこは計画は名ばかりの窓際族で、辞表を出させるための部署だった。
ラケーシュは生涯をロケット開発に捧げ、独身でもあり
ロケット以外に行くところはない。
家で沈んでいたタラ。
しかし、プーリー(揚げパン)を揚げているときに気がつく。
「火星を目指しましょう」とラケーシュに進言。
PSLV(極軌道打ち上げロケット)でも行けることを提案。
プレゼンのとき、プーリーを揚げてみせて、
火を消しても油が高温になれば揚がるから節約になる。
これと同じ要領で火星にいけると力説。
つまりは、地球の周りを何度も周り、
ポイントでそのつど加速を繰り返して推進力を持たせるもの。
衛星の重量は軽量化すれば半分でいけると提案。
「インドは遅れている、だからこそ大きく飛躍しないと。
「誰も火星には行っていない」
「1日15時間働きます、チームが必要」
その熱意に推され、トップは容認、
しかしルパートは納得いっておらず、
若手らをわざと配置させて嫌がらせする。
やってきたのは
航行・通信専門の女性クリティカ
ジェット推進専門の女性エカ
船体設計専門の女性ヴァルシャー
自律システム専門の女性ネハの4人と
男性のパルメーシュワルとアナントだった。
彼らはそれぞれに家庭の事情などもかかえており、
一丸となってロケット開発に賭ける意欲はなかった。
リーダー格のタラにも家庭の問題があり、
口うるさい夫や遊び盛りの娘、イスラムに傾く息子に悩まされている。
メンバーはロケット開発に意欲はなく定時になったら帰っていく。
そこでタラは誕生日会を催す。
それは宇宙科学に目覚めた日の話だった。
タラは「SW」を観て感動してこの世界に入ったという。
宇宙への夢を思い出した各人は変わった。
いろいろアイデアを出し合い
軽量化はプラスチックを使ったり
燃料不足は太陽風で推進、
パラボラアンテナは自己回復機能の網にするなど
実用化に向かって開発が進む。
そんなとき、予算がないと計画が断念される。
ラケーシュは会議に乗り込んで
月を目指す計画が中断してるなら、
その予算と人材と機材を回すように説得。
しかし、予算は当初の80億ルピー(約120億円)の
半額40億ルピーになってしまった。
それでも開発を進め、ついに探査衛星が完成。
名前は”マンガルヤーン(火星宇宙船)”となる。
2013年10月末
ついに打ち上げの日を迎える。
だが運悪く雨季になってしまい、毎日雨になってしまう。
火星が近づくのは2年2ヶ月なので、
この時期を逃すと2年以上先になる。
1週間の余裕があったが、
11月5日最後の予備日までも無念の雨だった。
ラケーシュは打ち上げ中止を命じる。
車の中で落ち込んでいると、急に陽が差し込む。
晴れ間が広がり始めた。
急いでクルーたちを呼び戻し、カウントダウンが始まる。
打ち上げは成功。
ロケットは順調に飛行し、地球周回軌道にも乗る。
そしてついに最後の噴射で地球重力圏を脱出し、
6000万キロ彼方の火星に向かう。
小惑星帯に入ると細かな岩石に当たって通信が途絶える。
そのとき、クリスティカがシステムをダウンする。
PCも再起動すれば直る、という原理だ。
通信が復活し、マンガルヤーンは無事火星に向かっている。
14年9月
逆噴射で火星軌道に入るため減速するが、
火星の裏側に入ってしまい24分のブラックアウトになる。
30分過ぎても信号はやってこない。
諦めたラケーシュだったが、そのとき信号音が響く。
マンガルヤーンが火星を回って出てきた。
その後次々と火星の映像が送られてくる。
管制塔は歓喜に沸く。
抱き合うクルーたち。
ルパートもラケーシュに握手を求める。
「あなたがけなしたから頑張れたんだ」
「NASAからもオファーが来ているぞ」
「ハリウッド映画よりも安い予算で成功したんだ」


監督:ジャガン・シャクティ

ラケーシュ(アクシャイ・クマール)
タラ(ヴィディヤ・バラン)
クリティカ(タープスィー・パンヌー)
エカ(ソーナークシー・シンハー)
ネハ(クリティ・クルハーリー)
バルシャー(ニティヤ・メネン)
パーメシュ(シャルマン・ジョーシ)
アナント(HG・ダタトレヤ)
ルパート(ダリップ・タヒル)
局長(ヴィクラム・ゴーカレ)

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