「ハリエット」

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「ハリエット」
思ったよりもおとなしい作品だった。
アメリカにこういう人物がいたのは知らなかった。
またまた19世紀半ば、そう南北戦争の頃の話。
先の「ストーリーオブマイライフ」の時代とほとんど同じ頃。
あちらは北部のマサチューセッツ州でわりと裕福な家庭の話だが
こちらは北部農場の奴隷。
舞台になるメリーランド州は境界州と呼ばれた地域で
合衆国(北軍)に入っているが奴隷制を認めていたところ。
「それでも夜はあける」は完全なる南部のルイジアナ州だった。
ミンティ(ハリエット)のいるメリーランド州は自由黒人もいるが、
その隣のペンシルベニア州は奴隷制度はない自由黒人の州だった。
そのためハリエットは100マイルを歩いて脱出する。
南部からだととんでもない距離だが
ミンティのいたところからは近かったので脱出もできた。
普通なら脱出して終わりだが、ハリエットは違う、
親兄弟仲間も救いたいと思う。
そこで、またメリーランド州に戻り、脱出をアシストし始める。
 農場での厳しい生活が省略されてるのでやや説得力がないのはおしい。
もっと「それでも夜はあける」のような厳しい描写があっていい。
そうすることで脱出の意味も説得力を持つ。
まあ、南部よりも奴隷たちへの扱いが違っていたとも言える。
それでも家畜と同じ扱いで、そこにある自由が手に入らないのは屈辱。
ハリエットの神がかりな行動で、多くの奴隷が救い出され
南北戦争でも活躍するという内容。
こんなタフな女性がいたことはアメリカの希望と言える。
今アメリカでは黒人差別でデモが起こり混乱している。
そして名画「風と共に去りぬ」さえ問題映画とされている。
その真っ只中の作品が「ハリエット」になり、
公開が遅れたものの、いいタイミングの作品になった。
主演のシンシア・エリヴォはアカデミー賞主演女優賞にもなった。
近く、ハリエットは20ドル札の肖像にもなるといわれている。


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あらすじネタバレ


























1840年代
メリーランド州ブローダス農場、
黒人奴隷のミンティはジョン・タブマンと結婚。
ジョンとミンティは農場のオーナー、エドワードに、
期間が来たのでミンティも自由黒人になれるという
弁護士からもらった手紙を見せ、
生まれる子供も自由にして欲しいと嘆願する。
しかし、エドワードは「お前は永遠に私の奴隷」と
言って手紙を破り捨てる。
その後、エドワードが急死するが、
息子のギデオンはさらなる奴隷を我がものとしていた。
反抗的なミンティを他者に売りに出すことにする。
「黒人はブタと同じだ、売ろうと食おうと自由だ」
ミンティはブローダス農園からの逃走を決意する。
父ベンはミンティに教会のグリーン神父を尋ねるようにいう。
夫には一緒に逃げるようにいうが、一人で牧場を出る。
神父からフィラデルフィアに行けと言われる。
明け方になっても現れないミンティを待つ夫は
ギデオンに片目を突かれ、詮索される。
捜索隊は犬を使いミンティを橋の上に追い詰めるが、
ミンティは濁流の中に飛び込む。
捜索隊はミンティが溺れ死んだと捜索をやめるが
ミンティは川岸にたどり着いていた。
ボロボロの姿になっていたが、親切な農夫に助けられる。
フィラデルフィアにたどり着いたミンティは黒人奴隷解放組織を尋ねる。
そこでリーダーのウィリアム・スティルに会う。
名前や経歴を聞かれ、少女時代に白人から暴行され
脳に障害が残っていることを話す。
ミンティは時折睡眠障害を起こし、そのとき神の声を聞くのだという。
仲間はどこだ?というウイリアムに対し、
一人で来たというミンティに
100マイル(約160キロ)の逃走を奇跡的だと驚く。
彼はミンティに新しい名前をつけることを提案、
ミンティは母の名前から「ハリエット・タブマン」と名乗る。
ハリエットはウィリアムから裕福な自由黒人マリーを紹介され、
マリーの家に住み込み仕事にもつく。
1年後、
ハリエットは家族を解放したいからと、農園に戻るという。
ウイリアムは危険と反対するが、南に行く黒人はいないと考える。
マリーはハリエットに護身用の銃を渡し、偽の身分証もつくり
最低限の自由人のマナーも教える。
鉄道駅では白人に怪しまれるが、なんとか到着。
ブローダス農園に着いたハリエットは夫ジョンと再会。
しかし、ミンティは死んだと言われたため、彼は再婚していた。
深夜、ハリエットは父ベンにも会う。
ハリエットはブローダス農場の5人の奴隷を逃がそうとする。
ハリエットは父にも逃げようというが、妻と残るという。
闇夜に脱出する奴隷たち。
翌朝、ギデオンは激怒、
女性奴隷であるハリエットの妹レイチェルを暴行。
ギデオンは自由黒人のウォルターから情報を聞き出し、
奴隷ハンターのビガーらとハリエットらの追跡する。
ミンティが飛び込んだ橋を必ず通るとして待ち伏せる。
 ハリエットは睡眠障害を起こして、橋に行くのは危険という。
泳げないと言う他の奴隷たちの前で、
ハリエットは神に祈りながら川を渡る。
奴隷たちもそれに従い、無事に渡りきる。
ところがそれをウオルターが木の上から見ていた。
しかし、ギデオンには見失ったと報告。
怒ったギデオンがウオルターを撃つが、
ビガーが銃を上に向けたことで助かる。
 ハリエットたちは無事にフィラデルフィアのウィリアムの事務所に着く。
驚くウイリアム、ウィリアムはハリエットを
奴隷を助ける組織「地下鉄道」に紹介する。
その後もハリエットは地下鉄道の活動家として
頭脳的に多くの奴隷を助け、
いつしか「モーゼ」と呼ばれるようになる。
妹レイチェル救出を計画し、再び農場に現れる、
レイチェルは「子供がいるから逃げられない」と言う。
ギデオンは逃亡奴隷の逮捕を厳しくするための法律制定の政治集会に参加。
ギデオンはビガーから、「モーゼ」はハリエットだと知らされる。
ギデオンはフィラデルフィアに向かい、
ハリエットを隠しているとして、マリーを暴行し殺す。
それを息をひそめて見ていたハリエット。
ハリエットはニューヨーク州の地下鉄道の集会では
法改正が行われたため、アメリカ国内での行動は難しいとし
カナダを経由して奴隷を救出するルートを探る集会が行われる。
ルートは1000マイルと長く困難だという皆に、
ハリエットは自身の奴隷の苦境を語り、カナダ経由での奴隷の道を作る。
1858年、
ブローデス農場や近隣の農場では奴隷がいなくなったのは
ブローデス農場のせいだと非難するが、
エリザが賞金をかけモーゼを捉える提案をする。
一方、ハリエットは「ボス」と呼ぶようになったウオルターの協力で、
ブローデス農場から父と母を助け、馬車に身を隠し橋を渡っていく。
大勢のハンターは知り合いの息子だと思って通らせるが、
それを知ったギデオンは賞金を独り占めにしようとビガーと二人で追う。
川にいたウォルターに父母を託し、追っ手を遠ざけることにした。
ビガーに追い詰められたハリエット、
銃を向けられるが、ビガーが倒れる。
撃ったのはギデオンだった。
ハリエットを生かして捕らえるのが目的なので、殺してはまずい。
しかし、逆に銃で手を撃たれてハリエットの前でひざまずく。
殺したい衝動にかられるが、
ギデオンに「奴隷制は神が許さない」と言い残し、
ギデオンの馬に乗って去っていく。
1861年
南北戦争が始まるとハリエットは黒人兵士を前に
奴隷解放を鼓舞する演説を行う。
そして、黒人兵士を率いて多くの奴隷を解放する。
ようやく家族と再会するハリエット。
黒人女性でありながら奴隷解放に活躍したハリエットは
91歳で生涯を閉じた。


監督:ケイシー・シモンズ

ミンティ・タブマン / ハリエット(シンシア・エリヴォ )
ウィリアム・スティル(レスリー・オドムjr)
ギデオン・ブローデス(ジョー・アルウィン)
マリー・ブキャノン(ジャネール・モネイ)
エリザ(ジェニファー・ネトルズ)
ウオルター(ヘンリー・ハンター
グリーン神父(ヴォンディ・カーティス=ホール)
ビガー(オマー・ドージー )
リット・ロス(ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ)
ジョン・タブマン(ザカリー・モモ)

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