「ナイチンゲール」

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「ナイチンゲール」
6月1日にようやく緊急事態宣言が解除され
映画館も再開した。
2ヶ月ぶりの映画になる。
むちゃ長く感じた。
しかし、解禁といっても、3密を避けるため
指定席も前後左右あけるので、100人キャパなら20人程度で満席になる。
事前の案内でも三角マークになっているから
少し入れば、残りはわずかということになる。
気になったので、ちょっと早めに行ってみたら、
なんと席はバッテンばかり。
そう、これがその前後左右空き配置だった。
前の方の席はそうでもなさそうなので、C席の真ん中あたり。
だが、実際に入るとガラガラだった。
客を積極的に入れないための三角マークのようだ。
 久しぶりの大画面の映画はいい、
そしてこの映画はすごい。
前情報をほとんど入れないで観たので、
その衝撃度は半端ない。
舞台がオーストラリア、タスマニア島というので惹かれた。
オーストラリアは何度か行ってるが、タスマニアはまだ。
ここは是非とも言ってみたいところ。
今でこそ自然を売りにしてるいいところだが
19世紀は暗黒の時代。
その時代はブラックウオー(ブラックライン作戦)と呼ばれた。
これはタスマニアに住んでいた原住民のアボリジニを
イギリス植民者が駆逐した黒歴史。
当時は多くのアボリジニが平和に暮らしていたのだが
イギリスの囚人たちがオーストラリアに流刑で送られた。
彼らがアボリジニを追い出し、殺し、占領し始めた。
タスマニアン・アボリジニーは小島に移住させられ、
1876年には最後のタスマニアン・アボリジニーが死去したという。
たった数十年で原住民を絶滅させたイギリスは恐ろしい。
こいうのを知って、日本も恐怖を覚えて、
侵略される前に戦争に突入したともいう。
 アボリジニへの残酷な行為はあまり知られていない。
同じ黒人でもアメリカの奴隷以下の扱いだ。
ゲームとして彼らを殺していたという。
さすがにそこまでの描写はないが、
それでもイギリス兵の残虐行為が描かれる。
試写会場では途中で出た人もいたほどらしい。
正視できないシーンもあるが、実際はもっと残酷だった。
主人公の女性クレア(アイスリング・フランシオシ )は白人、
どうもアイルランドから来たみたい。
夫婦で暮らしているが、囚人だった。
イギリス将校ホーキンス(サム・クラフリン )の部隊で働いているようだ。
といっても、給仕から歌い手、さらには性的奉仕もさせられている。
すでに刑期は終えているようだが、将校はそれを無視し奉仕をさせている。
さらには、夫と赤ん坊も殺されてしまう。
怒ったクレアは復讐の旅に出る。
タスマニアのジャングルは一人では進めないので
アボリジニの青年ビリー(バイカリ・ガナンバル )を雇う。
囚人クレアから見ても、ビリーは下だった。
最初は命令口調で行くのだが、
次第に人間として接するようになるところがいい。
これはイギリス軍や植民者と正反対の行動。
彼らは暴力でアボリジニをねじ伏せるから、戦いになる。
クレアとビリーのような関係になれば争いも起こらない。
途中、民家でビリーがテーブルにつくシーンがあるが
人間として扱われたことで涙する。
この辺りはぐっとくる。
ビリー役のバイカリ・ガナンバルは全くの素人らしいが
とてもそんな風には見えない自然な演技がすごい。
クレアのアイスリング・フランシオシはやや太めだが
凛とした雰囲気。
最初の頃の従順な雰囲気から、復讐の鬼となる頃は人が変わっている。
将校を目の前にして、彼の行為をぶちまけるところは感動する。
彼女にとってはこれが復讐だった。
しかし、仲間を殺されたビリーは、復讐の化身となる。
まさかの展開には驚く。
その憎々しい将校ホーキンス(サム・クラフリン )は
ニコラス・ホルトに似るイケメンなんだが、やることがえげつない。
もっと残酷に殺してほしかったね。
暴力シーンが多くて、一般的ではないが、力強い映画だ。
監督はジェニファー・ケントという女性というのが驚き。
だからかレイプシーンなど男では描けない撮り方。
おっぱいが張るところなどの細かなシーンもある。
画面の大きさが変わるところも見逃せない。
時折、四角なフレームになるのが印象的。
これは何を意味するのかよくわからなかったが、
窮屈な印象なのでクレアの心情なのか。
解禁最初の映画としては満足な作品に出会えた。
そういえば、タイトルの『ナイチンゲール』はなんだろうと思っていたが
看護婦のナイチンゲールではなく、サヨナキドリ)のことだった。
鳴き声が美しく西洋のウグイスとも呼ばれている鳥で
クレアの歌声になっている。
この作品ではもうひとつクロフエカラスというのがでてくる。
ビリーが時折、俺はクロフエカラスだ、とか言ってた。
その鳥は幸運のしるしらしく、道案内もするという。
その鳥がクレアを助けるのも印象的。
タスマニアのジャングルも魅力的。
ワラビーを狩猟するところや
ここには獰猛な動物はいないが、タスマニアデビルの鳴き声がしていた。

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あらすじネタバレ






























1800年代のオーストラリア。
ブラック・ウォーの最中にあったタスマニア島。
アイルランド出身の囚人、クレア・キャロルは
ホーキンス将校率いるイギリス軍部隊に奉仕していた。
今宵も青いドレスで歌を披露して、ワインを注いで回っていた。
ある日、査察官がホーキンスの部隊が駐屯する場所にやってくる。
それはホーキンスが指揮官に相応しいかを判断するためであった。
その日の夜、クレアはホーキンスに
夫のエイダンと幼い娘を自由の身にするための
推薦状を書くといっていたのに、3ヶ月経っても書かないので
いつになるか尋ねる。
ホーキンスは大いに気分を害したといい、クレアをレイプする。
帰宅後、エイダンはそのことに気が付いたが、
クレアは事を荒立てないで欲しいと夫に言う。
翌朝、エイダンはホーキンスに推薦状を書くよう求めたが、
ホーキンスはその願いを聞き入れようとはしなかった。
その日の夜、酔っ払ったエイダンはホーキンスとその部下たち、
ルースとジャゴと騒ぎを起こす。
これを知った査察官は、ホーキンスに指揮官としての資質がないと判断した。
ホーキンスは憤慨し、ローンセストンの本部に行き直訴するという。
出発前、ホーキンスはクレアたちが逃走しようとしているのを知る。
ホーキンスは夫エイダンに
「俺はお前の妻を何十回と抱いてきた」とエイダンに言い放った。
そしてホーキンスは、夫の前でクレアをレイプし、ルースにも代わる。
怒ったエイダンはホーキンスに殴りかかるが、銃で撃たれ
泣き止まぬ赤ん坊もジャゴによって殺される。
さらにクレアも銃尻で殴られ気絶する。
 意識を取り戻したクレアは夫と赤ん坊の無残な姿を目にする。
憲兵隊に通報したが、彼らはまともに取り合ってくれなかった。
クレアは自らの手で復讐を遂げることを決意し、
馬に乗って追跡するという。
しかし、ジャングルを抜け、ホーキンスらを追っていくのは困難だ。
隣人は止めるが、クレアの決意は固い。
せめて案内人でも雇えという。
現地の事情に詳しいアボリジニのビリーを案内人として雇うことにした。
ビリーも常に迫害されてきて両親をホーキンス達に殺され
白人に対する酷い嫌悪感を抱いていたこともあり、
クレアに対しても快く思っていなかった。
クレアもアボリジニのビリーに高圧的な態度を取っていたが、
旅でお互いを知っていくうちに、徐々に相手に対する敵意は消えていった。
 ホーキンスたちは森を抜けるために囚人と少年エディを荷物運びに
アボリジニの年配者チャーリーをガイドとして雇つていた。
途中で、アボリジニの母子と遭遇し母親だけを連れ去る。
その後、アボリジニに襲われ、囚人がヤリに刺さりジャゴも足に怪我をする。
ホーキンスは足手まといのジャゴを置き去りにする。
追いついたクレア、
ジャゴを追い詰め銃で撃ち、ナイフで滅多刺しにして殺す。
血だらけのクレアを見てビリーは驚く。
クレアはビリーに本当のことを話す。
 チャーリーは山道を案内するが、不審に思ったホーキンスは問い詰める。
チャーリーは「この土地をやろう」という。
怒ったルースが撃ち殺してしまう。
道案内を失って怒るホーキンス。
追いついたクレアとビリーは、チャーリーの屍体を見つける。
そして、山を進むホーキンスらを見つける。
先回りしてクレアが銃を向けるが、逆に撃たれてしまう。
さらにビリーはホーキンスに捕まってしまう。
ビリーを道案内にして、ようやく道路に出る。
そこでビリーを殺せと、少年エディに銃を渡すが撃ち損じてしまう。
森へ逃げ込むビリー、怒ったホーキンスは少年エディを殺してしまう。
 森の中で迷子になったクレア、
そのときクロフエカラスを見つける。
ビリーがこの鳥が案内をするんだ、
といっていたのを思い出し鳥に続く。
すると広い道に出た。
そこに通りががった馬車に乗せてもらい、ローンセストンに向かう。
途中で、森から出てきたビリーと再会する。
二人は並んで街に向かう。
途中の家で食事とベッドを提供される。
その夫婦はビリーを奴隷ではなく客人として迎えた。
思わず涙するビリー。
「この土地は故郷なんだ」
翌朝、アボリジニを連れて行く男たちに出会う。
とっさに、クレアはビリーに囚人になれという。
囚人たちとビリーは話をするが、男たちは虫けらのように銃殺する。
「その男も殺そう」
「主人に殺させるわ」
うまくその場を逃れ、ついに街に着いた二人。
そこで真っ赤な軍服に着替えたホーキンスと愛馬を見つける。
クレアは大勢の軍人がいる本部でホーキンスの悪行を洗いざらい告白、
出世が約束されていたホーキンスの面子は丸つぶれになる。
すぐに二人は馬で森に逃げ込むが、復讐ができていないことが悔やまれる。
夜中、ビリーはアボリジニの戦闘員になっていた。
そしてホーキンスのいるホテルに忍び込む。
娼婦との真っ最中、ヤリで射抜かれるホーキンス。
廊下でルースに撃たれるが、首にヤリを突き刺す。
クレアは負傷したビリーを乗せて馬で逃げる。
浜辺にやってきた二人。
朝日が昇る。
ビリーは「自由だ!」と叫び踊る。
クレアは朝日に向かい復讐を果たしたことを喜び歌う。



監督:ジェニファー・ケント

クレア(アイスリング・フランシオシ )
ホーキンス(サム・クラフリン )
ビリー(バイカリ・ガナンバル )
ルース(デイモン・ヘリマン )
ジャゴ(ハリー・グリーンウッド)
グッドウイン(ユエン・レスリー )
エディ(チャーリー・ショットウェル )
エイダン(マイケル・シーズビー )

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