「永遠の門」

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「永遠の門」
サブタイで「ゴッホの見た未来」なんてついてるが、うっとおしい。
かなり不思議な作品。
それでも魅せられる。
なにせ、ゴッホをウイレム・デフォーが演じて
マチュー・アマルリックやマッツ・ミケルセンも出てるとあっては
観ないわけにはいかんやろ。
ウイレムデフォーがゴッホにそっくりだったのは驚き。
といっても、絵でしかゴッホの顔は目にしていないが
デフォーの神経質的なところがよく合ってる。
ただ、デフォーが60代なので、どうかと思うが
ゴッホの自画像は年老いて見えるので、意外にあってる。
30代の写真もあるが、結構老けてるね。
ゴッホの映画は数多くある。
2年前には「ゴッホ最後の手紙」というアニメ的な作品があった。
未見なのが惜しまれる。
昔、カーク・ダグラス主演の「炎の人ゴッホ」があり
90年にはティム・ロスの「ゴッホ」もあった。
他にも多くあって、絵になるテーマだ。
ただそれらはゴッホのことを、客観的に捉えたものといえる。
それが、今回は全く違う角度から描く。
まさに絵画は自由だ。
有名なエピソードを盛り込み、ゴッホの目で描いているかのよう。
その証拠に、カメラがゴッホのアングルになっている。
歩くシーンも、足元や風景が流れる。
これは観てると疲れるが、自分がゴッホになったような気分にもなる。
ここで気になったのが、下3分の1くらいがボケていること。
この意味がよくわからない。
ゴッホの精神的な曖昧さを表しているのだろうか。
それこそ足元が定まっていないことなのか。
それが時折、クリアになるところもあって、余計気になった。
会話のシーンも相手の顔がアップする。
ゴッホの考える言葉も流れるから、
一人称的な映画になっている。
だから、ゴーギャンとの出会いや別れも意外に淡白に描かれる。
そして耳削ぎ事件も、そのシーンさえ描かない。
自殺も、若者に撃たれたという説にして
ここも曖昧さを残すような形で描く。
これは監督ジュリアン・シュナーベルの、独自の解釈を加えたもので
かなり芸術的な作品になっている。
ジュリアンシュナーベルは「潜水服は蝶の夢を見る」という
不思議な感覚の作品も撮っていて、それに似る。
その時の主演、マチュー・アマルリックも登場してる。
ガシェ医師になってたが、ゴッホの絵にそっくりだったのは驚き。
マチュー・アマルリックも病院に牧師になって
ゴッホの考えに触れるシーンがある。
とにかく絵が綺麗だし、ゴッホの絵のような風景が続く。
これは実際にアルルで撮影したからというが、美しい。
糸杉も本当にそれなんだ。
枯れたヒマワリや、小麦畑も絵になっている。
ゴッホが実際に描いていただろう、筆つかいもわかるし
その絵も本物っぽいのには感心する。
多くの作品が、いまならいくらするんだろって思ってしまった。
いま、上野で「ゴッホ展」をやってるから
やっぱり行ってみようかな。






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あらすじネタバレ










1888年
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは、田舎道で羊を連れている少女に出会う。
ゴッホは思わず「スケッチさせて欲しい」という。
パリ
ゴッホの絵は売れなくて、画商から持って行けと言われる。
酒場で芸術論を交わしている会場で
ゴッホはポール・ゴーギャンと出会う。
ゴーギャンの考えに触れたゴッホはゴーギャンを好きになる。
ゴーギャンはゴッホに「南に行け」という。
ゴーギャンの弟テオをはパリに在住し、画商として生活をしていた。
そして毎月の生活費をゴッホに送っていた。
ゴッホは芸術的で感情的に疲弊してしまっており、精神をも病んでいるようだった。
それでも南仏のアルル地方に魅せられて、「永遠の門」があるように思う。
近郊を歩き回ってキャンバスに向かっていた。
ある食堂で、黄色い家の中の、空いている部屋があることを知り
そこに住んで絵を描き始める。
季節によって移りゆく美しいものを、キャンバスの上に留めておきたかった。
地元のマダム・ジヌーからもらった、スケッチブックがお気に入りで、
地元の風景をスケッチしている。
「風景を見るのではなく、その背後にある永遠だけを見たい」
「自然にも意味がなければ、自然のようなものはあり得ない」
などの哲学的な考えをつぶやく。
あるとき、たまたま校外学習に来ていた小学生たちが、
ゴッホの絵を非難したことで怒り、先生も狂人と叫ぶ。
さらには道端で放牧の少女を強姦したのではと疑われる。
これが役人に伝わり、アルルを出て行けと言われる。
テオがパリから呼ばれる。
テオはゴッホのことを理解してくれるゴーギャンを連れてきた。
ゴーギャンと絵を描いて過ごすことで穏やかになったゴッホだったが
意見が合わなくなり、ゴーギャンはパリを去ることを告げる。
ゴーギャンに和解を示すために、ゴッホは自らの耳を切り落とす。
それを、なぜか娼婦に渡したことで警察沙汰になる。
ついにゴッホはプロヴァンスの精神病院に送られる。
病院で出会った牧師により退院ができたが、
アルル当局はゴッホに住むことを許可しなかったため
オーヴェルシュルオワーズ(パリの近く)に行くことになる。
ここで仲良くなったガシェ医師の絵を描いている。
ある日、近郊で風景画を描いているとき、若者二人が近づいてきた。
なぜか銃を持っており、ふざけている間に発砲しゴッホの腹に当たる。
若者たちはゴッホの絵も筆も埋めてしまい、銃も川に捨てる。
腹を抑えて医師の元に戻るが、自分で撃ったと若者をかばう。
重症のゴッホはテオを呼んで欲しいという。
パリから駆けつけたテオは、冷たくなったゴッホの頬をなでる。
葬儀が行われ、棺の周りにはゴッホの絵が飾られていた。
ゴッホは38歳だった。
スケッチブックは長年見つかっていなかったが、近年発見された。
ゴーギャンがゴッホを讃える詩を読む。


監督:ジュリアン・シュナーベル

フィンセント・ファン・ゴッホ(ウィレム・デフォー)
テオドルス・ファン・ゴッホ(ルパート・フレンド)
牧師(マッツ・ミケルセン)
ポール・ガシェ医師(マチュー・アマルリック)
マダム・ジヌー(エマニュエル・セニエ)
ポール・ゴーギャン(オスカー・アイザック)
フェリックス・レイ医師(ヴラジミール・コンシニ)
ヨハンナ・ファン・ゴッホ(アミラ・カサール)

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