「プライベート・ウォー」

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「プライベート・ウォー」
シャンテで観る。
これは心打つ衝撃の作品。
ジャーナリストは何かを鋭く問う。
この作品は夏に乗ったエミレーツの機内でやっていた。
英語版だったがオープニングから惹きつけられた。
でも小さな画面で見るのはもったいないと思い、劇場公開を待つ。
それがこれ。
ロザムンド・パイクがいい。
ちょうど同じ時間に「エンテベの7日間」でも主演をやってるし
近々公開の「The informer」や来年公開の「キュリー夫人」でも
主演と、このところ露出が多い。
それだけ硬派な映画に似合う女優になった。
「ゴーン・ガール」での存在感はあったが、魅力的とまではなかった。
40歳と円熟味を増して、リアルな女性としての魅力が出てきた。
特段美人ではない分、地に着いたリアルな存在感のある女性が似合う。
この映画も女性ジャーナリストのメリー・コルヴィンを原寸大で描く。
実際の戦場ジャーナリスト。
イラク戦争からシリア内戦まで報道した、
イギリスの著名なジャーナリストという。
でも全く知らなかった。
戦場ジャーナリストといえば、ISに殺害された後藤健二氏が真っ先に浮かぶ。
そして少し前なら、イラクに取られられた若者がいた。
彼らに対する日本のメディアや国民の反応は、意外に冷たい。
自己責任論がまかり通る。
そうなるとどうなるか。
悲惨な戦争のことも、我々は全く知らないまま過ごす。
他人の痛みを知らないまま
他の世界の出来事を見ないふりになる。
それではいけないのは当たり前。
このメリー氏や後藤氏の命がけのレポートにより、
事実を知ることができる。
それが争いへの批判となっていく。
このメリーは、客観的な報道ではなく、現地の人々の声を聞くのが特徴。
本人の感想もあるが、現地の庶民の声を拾うことで、
よりリアルな世界を伝えている。
いまでもメジャーな媒体は派遣して報道をするらしいが
それはかなり安全な場所からのレポートなので、
生々しさは伝わらない。
メリーのような死と紙一重の中でのレポートはすごいことだ。
そしてあまりにすごい現場を見ることで、彼女も兵士と同じPTSDになる。
報道する方はそこまでにはならないのだが、
あまりに最前線にいるからそうなってしまう。
それは恐怖とともに快感さえあるのかもしれない。
だから何度でも戦場に赴くことになる。
カメラマンが「パーソナルな質問していいか?」という
「そのブラは高級そうだが?」
「死んで、掘り出された時目立つでしょ」
こういうとこに女性ならではの気持ちがこもってる。
カメラがいい。
リアルな戦場をメリーとともに駆け巡る。
監督はジャーナリスト出身らしいので、その感覚が生きている。
爆撃の凄さも感じてしまう。
最初に出てくるシリアの瓦礫の都市は衝撃的。
シリア、今度はトルコが攻撃を始めたらしい。
ほんとうに、あの国はこうなってしまうのだろうか。












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あらすじネタバレ
















2012年
シリアのがれきの街をバックに
戦場ジャーナリスト、メリーの言葉が流れる。
その11年前の2001年
メリーは内戦続くスリランカへ入り、
激しい銃撃のなか取材を続けていた。
シンハラ軍とタミル・イーラム“解放のトラ”との銃撃戦に巻き込まれ、
敵に包囲された時、ジャーナリストと名乗り両手をあげるが
グレネードによる攻撃で左目を失う。
黒いアイパッチ姿になりながらも再び戦場に向かい
現地に暮らす市民たちのリアルな声をすくい上げ、
紛争地域で実際に起こっていることを世界に伝えていた。
このスリランカにおける活動が、国に認められ、
ブリティッシュ・プレス・アワードを受賞。
以降このアイパッチはメリーのトレードマークとなる。
一躍時の人となったメリーだが、プライベートではひどいPTSDに悩まされていた。
元夫との復縁を考えていたが子供を産める年齢は過ぎていた。
さらに精神的にも追い詰められている状態。
それでも自分の仕事場は戦場、といい復帰する。
PTSDを酒やタバコでごまかしている。
2003年、イラク。
共同墓地の手がかりを追っていたメリーは
バグダッドで出会ったフリーのカメラマン、
ポール・コンロイと行動を共にするようになる。
12年前にサダム・フセイン政権によって殺害されたクウェート人の
遺体を見つけるため地元の作業員を集め、
ブルドーザーを使って砂漠を掘り起こす。
多くの遺体を発見するスクープを手にするものの、
悲鳴と嘆く遺族の姿を目の当たりにしたことで、大きな喪失感に襲われる。
2009年、アフガニスタン。
地元市民やアメリカの救援部隊に対するタリバンの攻撃を
スクープしたメリーは、ロンドンに戻り、
パーティーで出会ったビジネスマン、トニーと出会い恋に落ちる。
2011年、リビア。
トニーと平凡な日常は紛争地帯に戻ったときには消えていた。
国内では反政府デモ“アラブの春”が最高潮に達し、
カダフィ政権を崩壊させる勢いとなっていく。
一方、仲間のジャーナリストが爆撃で死亡する。
深い絶望に立たされながらも、彼女はカダフィ大佐の単独インタビューに成功。
鋭い質問にカダフィ大佐も一瞬顔が硬くなる。
その後カダフィ大佐が市民により殺され、その現場にも赴く。
新聞社はメリーを現場から離そうとして、園芸部のポストを用意するが
メリーは全く興味を持たない。
2012年、シリア。
アラブの春がここにも押し寄せるが、シリアのアサド政権はそれを頑としてはねのける。
反政府の国民をことごとく攻撃していた。
過酷な状況で包囲されている28,000人の市民の現状を伝えるため、
ポールとともに、最前線のホムス地区に乗り込む。
そして、現場の状況をライブ中継するという前代未聞のレポートをする。
それを見つめる世界の人々。
国民を苦しめているのはISでも反政府軍でもなく
イラク政府軍だったことが報道される。
だが政府軍の攻撃は報道現場にも押し寄せ、ロケット弾が襲う。
逃げる途中で、メリーとポールが犠牲になる。
それをカメラがズームアウトしていくと、オープニングのシーンになる。


監督:マシュー・ハイネマン

メリー・コルヴィン(ロザムンド・パイク)
ポール・コンロイ(ジェイミー・ドーナン)
トニー・ショー(スタンリー・トゥッチ)
ショーン・ライアン(トム・ホランダー)
ノーム・コバーン(コーリイ・ジョンソン)








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