「SHADOW 影武者」

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「SHADOW 影武者」
美しい。かっこいい。
まるで山水画のような映像にうっとりする。
ほとんどモノクロ画面のようだが
顔の色と血の色だけカラーになってる感じ。
そして最初から最後まで降りしきる雨。
まるで黒沢の「七人の侍」のよう。
ストーリーよりもこの美しさに圧倒される。
さすがチャン・イーモウらしい、上品な映像になっている。
こんなの観たらつまらん邦画には金は出せない。
歴史物シリーズでは「HERO」「LOVERS」があり
そのながれというもの。
ただ前作が2002〜4年頃のなので、
かなり年月を経てからの作品になる。
前作も流れるようなアクションと優雅な映像が魅力だったが
今回はそれらをはるかに凌ぐ良質なものになっている。
陰陽の印になった舞台が美しい。
これは都督と影を表している。
さらには都督の妻と影の関係、
小国と強国の関係などなど、対比の美しさがある。
そして毎回凝った武器が出てくるが、今回は特にすごい。
なんと、傘が武器になっている。
傘ハンバーカーもすごい。
その兵士たちが囚人というのだが、
このあたりが端折ってあるのでよく分からない。
特に女たちばかりなので、なぜ囚人なのかがわからない。
一番の見せ場なのでもったいないかな。
話は単純で、まさにシェークスピアの劇のよう。
ある小国が、隣国との休戦合意をしていた。
高官のなかには奪われた土地を取り返せ、という強硬派がいる。
その先鋒者が、都督というヒーロー。
若い王は弱腰で戦略結婚で同盟を維持しようとしている。
実は都督は病で臥せていた。
表に立っていたのは”影”と言われる人物。
そっくりということで、主演のダン・チャオが二役やってるという。
しかし都督は髪ぼうぼうで痩せてるし、全然同じ人物とはわからない。
せっかく減量して挑んでるのに、その成果はない。
てっきり別人かと思っていた。
ここは少し似てる人物でも全く問題ない。
そんな凝ったことをするのがチャン・イーモウらしい。
最近では「グレートウオール」というハリウッド合同とも言える
やや軟弱なものがあったけど、「王妃の紋章」のように
豪華絢爛な歴史物が似合う。
豪華絢爛とは真逆の質素な作品だが、たしかにチャン・イーモウだった。







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あらすじネタバレ


















三国志時代
沛(ペイ)国は強国の炎国に境州を奪われたが、
同盟を結んで休戦。
それから20年が経過。
王が亡くなり、若くして王となった沛王は、
弱腰で、平和を維持するため争いを避けていた。
重臣の都督(トトク)は、炎国から境州を奪い返すことを主張していた。
都督は家臣からも兵士からも絶大な信頼を得ており、王も一目置いていた。
だが、実は彼は都督の”影”だった。
8歳のとき、都督に似ているとして、
都督の父が拾い、影武者へと密かに育てていた。
1年前、都督は刀傷から病となり伏せており、
それを隠すため影武者が彼の代わりを務めていたのだった。
都督は境州を奪い返したら、
影は自由になり母親と一緒に暮らせると約束していた。
翌日、影は炎国の楊蒼将軍との対決を王に直訴する。
王は怒って退官させる。
すると影は「私はもう一介の民ゆえ、楊蒼と対決しても王とは無関係」という。
王は都督の胸の傷を見せるように命じる。
それは新しい傷のため、王は疑惑を持つ。
「悔しさを忘れないよう新しくつけた傷」と王を納得させる。
王は妹の青萍(チンピン)を楊蒼の息子に嫁がせ和平を続けるようにしていた。
家臣の田戦(ティエン)がそれに反対すると、官職を解かれてしまう。
 都督は秘密の出入り口を持つ館に隠れて暮らしていた。
そのなかの陰陽の印のある場所で
都督は影に「三太刀必殺」という楊蒼との対決の特訓を始める。
都督が仕掛ける長刀をどうしても避けることができない。
その時、小艾が女の体のように柔らかく傘を使うことを提案。
 田戦は竹林で影に出会う。
都督に面会し驚く田戦に、囚人たちに技を教えて戦いに備えよと命じる。
 決戦前夜。
都督の館での最後の夜に、小艾は影になぜ服従するのかと尋ねる。
「あなたのためです」
2人は初めて結ばれる。
しかし、それを都督はのぞき窓から凝視していた。
 楊蒼と息子が堺州に陣取っている。
そこに、竹の船がやってくる、乗っているのは影一人。
楊蒼に1対1の決闘を申し込むと、楊蒼は息子に
関所を固めておけと命じ、影のもとへ岩場を降りていく。
影は刀で作られている傘で楊蒼に挑む。
 その船室には田戦と囚人たちが潜んでいた。
船の底の扉を開き、簡易潜水装置で川に潜り、炎国の軍隊の背後にまわる。
その中に青萍が混じってた、
刃の傘を重ねた装備で、街の石畳を下る一団。
突然敵が市中に現れ、あわてて駆けつける炎国軍。
影との戦いを見ていた楊蒼の息子に伝来が入り、慌てて街に戻る。
そこに襲いかかったのは青萍。
だが斬り殺されてしまう。
青萍は小さな言葉で言葉を発する。
そばに近づいた彼は「結納品は返すわ」と聞く。
その瞬間、青萍の小刀が彼の首をかき切った。
楊蒼と影の対決は、楊蒼が圧倒的な強さを見せていた。
トドメを刺そうとした時、影の持つ傘の刀が楊蒼の喉を切り裂いた。
満身創痍の影は、馬で一軒の民家にたどり着く。
しかし母は死んでいた。
そこに刺客が襲ってきた。
 炎国を破り、境州を奪還したことを祝う宴が催されていた。
そこに傷を負った影武者が帰ってくる。
王は皆を外に退席させるが、側近の大臣だけ残るように命じる。
その男は炎国のスパイだった。
青萍の縁談を画策したのもこの男だと、首を切り落とす。
「似ている、実にそっくりだ」と王は影を見て笑う。
王はなにもかも知っていたのだ。
その頃、都督が隠れている館に鉄の面をつけた3人組が襲いかかる。
その仮面をつけた男が一つの木箱を王の前に運んでくる。
王は「これで安眠できる」と本物の都督の首が入っているであろう、
ふたを開ける。
箱のなかはからっぽ、そして王は背後から刺された。
仮面の男は都督だった。
影の母を殺させたのも王だった。
都督は影に妻と一緒に逃げよ、と言いながら刀を抜く。
だがそれを悟った影は刺し返し、トドメを刺す。
影は、苦しんでいる王の体にも刀を差し込む。
その刀を死んだ都督の手にもたせて、刺し違えたようにした。
震えている小艾に血の付いた巾着を渡すと、外に出て行く。
「王は刺客により崩御された。この都督が反逆者を仕留めた」と叫ぶ。
取り乱した小艾は外に出ようと扉に走り寄るが、立ち止まる。
このまま黙っていれば、都督の妻として王妃になれる・・・




監督:チャン・イーモウ

都督 / 影(ダン・チャオ)
小艾(スン・リー)
沛の国の王(チェン・カイ)
田戦(ティエン・チャン)
青萍 (クアン・シャオトン)
楊蒼(フー・ジュン)

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