「暁に祈れ」

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「暁に祈れ」をシネマートで観る。
今年初めての映画。
昨年末にタイミングが合わず観れなかった、今年になっていい時間になった。
でも1日一回しかやってない。
  このリアルさがいいね。
前知識はあまりなく、刑務所でのキックボクシングくらいしかなかった。
まず、カメラワークに驚いた。
そしてリアルなタイ・チェンマイの刑務所に驚く。
今までも刑務所の作品はあったが、ここまできつい描き方はなかった。
もう匂いまで漂いそうなリアリティ。
むさい男どもがくっつきながら寝てる様子なんか息が詰まりそうだ。
さらには当然レイプもある。
リンチももっとあってよかったかな。
なんだか「あしたのジョー」を思い起こすようなシーンだ。
それはボクシングという土壌があるからだろう。
全身刺青だらけの男達。
もう全身有田焼みたいだ。
そんな中に放り込まれた白人のイギリス人。
クマ牧場に入ったウサギみたい。
でも、このウサギはボクサーというのがミソ。
さらにこれが実話というのがすごい。
確かにタイで麻薬を持っていたら刑務所行きなのは当然。
「ミッドナイトエクスプレス」でも描かれた過酷な囚人生活になる。
それの何倍かリアリテイのあるのがこの映画。
そこで出会ったムエタイに活路も求める主人公。
ムエタイはキックボクシングとして我々は認識してる。
 本当のムエタイは、muay=格闘技、thai=タイと呼ばれる通り、国技。
13世紀に軍隊の実戦格闘技としてすでに取り入れられていたという歴史を持つ。
パンチや肘打ち、キック、投げ技が融合されており
「立ち技世界最強格闘技」ともいわれ、あの名作「マッハ!!」や「トムヤムクン」でも
トニー・ジャーに、その破壊力を見ることができた。
特に肘打ちのエルボーは脳天を破壊する威力がある。
この作品でも、最後に出す必殺技はバックブローエルボーだった。
これ一発で相手を沈めた。
 この映画のリアリテイは本物の刑務所で、本物の囚人を使っていることだ。
監督のジャン=ステファーヌ・ソベールは、本作ではリアリティにこだわり、
本物の元囚人を使い、タイで本物の刑務所を使用し撮影を行ったという。
ビリー役のジョー・コールは、実際にタイのボクシングジムでトレーニングを積んだという。
囚人のほとんどが実際の元囚人とボクシングチャンピオンということ。
そしてカメラワークがすごい。
ビリーに密着した独特のカメラで、もうビリーのそばにいる感じになる。
こんなに接近したカメラは「サウルの息子」以来じゃないのかな。
手持ちカメラを使用したり、固定したカメラにしたりと
ビリーの心情をも表すものになっている。
かなりアップのシーンが多いので、ボクシングのシーンなど
どうなってるかわからないほどだ。
たしかに本人達はこういう心境だろうな。
汗と血がこちらに飛び散るような痛みを感じる作品だった。
最後も、自信を取り戻したような心情がよく分かる。
ほとんどセリフのない展開がいいね。

















あらすじネタバレ































タイにやって来たイギリス人ボクサーのビリー・ムーア(ジョー・コール)。
しかし、ビリーは当初の目標を見失い、ヘロインとドラッグのヤーバー中毒となり、
麻薬のお金を稼ぐ目的で、闇社会の試合に参加するようになる。
ある日、タイ警察の家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、チェンマイの刑務所に送られる。
そこは、囚人が溢れかえっており、床で重なるように眠り、動物園のようだ。
言葉の分からないビリーはよくわからないままそこに放り込まれる。
そんな中でビリーは揉め事を起こして独房に送られる。
さらにビリーが移送された場所は、全身刺青の凶悪な囚人のみが集まる大部屋。
弱い者はレイプされ、自殺を選ぶ囚人が後を絶たない。
恐怖に心を支配されながらも、生き抜こうとするビリーだが
今度は看守にヘロインを与えられ、再び麻薬中毒になっていく。
ヘロインと引き換えに、看守が目障りに感じている囚人のリンチを
請け負うようになったビリーは、自己嫌悪に陥る。
何気なく窓から外の景色を眺めていたビリーは、ランニングをしている集団を目にする。
それは刑務所の「ムエタイチーム」に所属する囚人達だった。
ボクサーだったビリーは、自分を変えるチャンスを求め、
「ムエタイチーム」への加入を求めるが、コーチに相手にされない。
そんなとき、女子囚人と知り合い、彼女が売店をしているところでタバコを手にいれる。
そのタバコを賄賂にして、ムエタイチームに加わる。
地獄の中で勝ち残るにはムエタイで頭角をあらわすしかない。
ビリーは地獄の監獄でひたむきに練習に取り組み、
他の刑務所との試合に抜てきされることになる。
ところが大部屋の囚人につかまり妙な薬を打たれる。
医者には戦うとドラッグのせいで命取りになると言われる。
しかし、勝たねば殺される運命だ。
試合は一進一退だったが、ビリーの奥の手のバックブローが炸裂。
勝った、だがビリーも血を吐いて倒れる。
すぐに入院となる。
目がさめ、トイレに行くと看守がいなくなっていた。
ふらりと街中に出ることもできた。
このまま逃げることも可能だ。
だが、ビリーは病院に戻っていた。
逃げる人生は止めだ。これからは堂々と生きる。
回復したビリーは刑務所に戻ると、そこには父親が来ていた。
その父親役はビリー・ムーア本人だ。
テロップではビリーは3年の刑期を終え2010年に出所したという。
その当人がビリー・ムーアだ。

監督:ジャン=ステファーヌ・ソベール
ジョー・コール : ビリー・ムーア
ヴィタヤ・パンスリンガム :プリーチャー所長
パンヤ・イムアンパイ :ケン
ソムラック・カムシン :スティン
ビリー・ムーア:ビリーの父親

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