「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」 鑑賞
「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」をシャンテで観る。
老人ばかりの映画で、どうかな、と思ったら、まったく違っていた。
面白いし、希望や勇気が湧いてくる。
エネルギッシュな内容だった。
いい映画はやっぱりいい。
公開3週目なのに、かなりの入り。8割が埋まっている感じ。
観客は同じような年代なのがおかしいが、この映画なら希望に満ちた思いが感じられる。
クチコミで人気が上がっているんじゃないかな。
「インドの高級リゾートホテルで優雅な老後を送りませんか?」
という内容に惹かれたイギリスの高齢者たち数名が海を渡る。
ところが待っていたのはボロホテルでオーナーはやる気だけある若者だけ。
改築中という話だが、どうみても閉館寸前の様相。
しかし住んでみればなかなかいいところ。
インドの空気にも慣れるひともいれば、まったく受け付けない人もいる。
こういう個性があぶりだされておもしろい。
自分ならどのタイプかなと思うのもたのしい。
主人公は「007」のMことジュデイ・デンチ。
予告編で見たときは「007」をやっており、
「死んだわ」というセリフがMの死にもつながってリアルだった。
イブリン(ジョディ・デンチ)は夫が死に借金のカタに自宅を手放した老婦人。
子供や孫との同居もいやなので、ひとりインドに渡る。
ダグラス(ビル・ナイ)夫妻は娘の会社に投資したが失敗し、
インドで暮らそうとしていた。やや夫婦仲は微妙だ。
グレアム(トム・ウイルキンソン)は独身弁護士だが、ある決心でインドに来た。
ミリエル(マギー・スミス)は骨折を治すため渋々インドに渡る。
かなりの人種偏見がある老婦人。
この人が意外な面を見せてくれて、さすがMスミスとうなる。
他にも女好きの紳士や昔美人だった独身婦人もいる。
それぞれがインドを体感し、馴染んでいく。
映画は各人を丁寧に描くから、どの人にも感情移入できる。
監督は「恋に落ちたシェークスピア」のジョン・マッデンなのでしっかりした描写がいい。
インドの雰囲気も伝わり、俳優たちも浮いていない。
この映画の魅力はそうそうたるイギリスの名優たちにある。
どの人も主演を張れる人だけに存在感がある。
若いホテルオーナーには「スラムドッグ」のデヴ・パテルというのもいい。
彼の空回り的な行動が映画のエンジンにもなっているかのようだ。
こうした老人映画はややもするとフェードアウト的なものになりがちで
今年度ワーストの邦画の「あなたへ」などは最たるものだった。
邦画は見るに耐えない。
しかし、この映画はエネルギッシュ。歳なんて関係ない。
新しいことをやらねば後悔する。
「失敗とはやらなかったこと」といわしめるところが感動的だ。
この記事へのコメント