藤井龍二の馬耳映風

アクセスカウンタ

zoom RSS 「メッセージ」

<<   作成日時 : 2017/05/15 15:46   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

画像
画像

「メッセージ」をソニー試写室で観る。
公開は5月19日から。
これは是非とも観たかった作品だから出かけた。
試写室では毎度一番前の席で観ることにしている。
椅子もいいしスクリーンも小さいけれど目一杯の広さなので迫力ある。
何より音響がいい。
さすがにうまい設計になっている。
着いた時は各席には一個開けての間隔で座ってるが、予約でも満席だったから
絶対満杯になる。
だから真ん中の席に陣取る。
思った通り始まる直前には満席になった。
ここでは5分前になると、キャンセルした分を整理券を出して埋めるようにしている。
だから補助椅子までいっぱいになった。
  やっぱりいい。
こういう内容だとは思わなかった。
じわりと余韻が残る。
単なるエイリアンの侵略モノが、こういう高尚な内容になってるなんて驚き。
哲学も入ってるような、時間と空間の競合か。
はたまた現代の情報世界を示すような内容だ。
人間は素直ではない。疑心暗鬼で現代を生きている。
それがエイリアンによりさらなる疑心を生む。
だがこの物語の本質はパーソナルなものに行き着く。
アカデミー章の各部門にノミネートされたのも納得、
しかし音響しか取れなかったのは残念だな。
作品賞でも異論はないぞ。
原題は「ARRIVAL」で到着のことだが
原作はSF作家テッド・チャンのベストセラー短編集『あなたの人生の物語』。
原作は読んではいないけれど、映画は独自の解釈になっている。
これぞ映画。
監督が「ボーダーライン」などの傑作を撮り続けて「新ブレードランナー」も撮ってる
ドゥニ・ヴィルヌーヴだから絵が美しい。
そして物語の奥行きが深い。
  愛しい我が子ハンナを失ったシングルマザーの言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)。
あるとき、巨大な飛行体がアメリカに現れる。
その形はまるで”亀田の柿の種”か”かつおぶし”。
それらは全世界に12個も現れる。
日本の北海道にも現れたようだ。
人類は動揺と警戒をするが、彼らはじっとしているだけで、何も起こらない。
その佇まいは「2001年」のモノリスのようでもある。
やがて何かしらの信号を受け取ったらしく、軍のウエバー大佐(フォレスト・ウイティカ)が
言語学者のルイーズに調査を依頼しにきた。
現場に向かうヘリに乗ると、そこには物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)もいた。
言語と物理からこの生命体とのコンタクトをすることになる。
飛行物体の中は不思議な空間になっており
そこには7本足のイカかタコのような巨大な生命体が2体いた。
霧の中でぼんやりとしか現れないところがいいね。
彼らは”ヘプトポッド”、飛行船は”シェル”と呼ばれていた。
三脚のことをトライポッドというし、8角のことはオクタゴンという。
7本のこともこういうのだと知った。
二体には”アボットとコステロ”という名をつけるが
これって40、50年代に活躍したお笑いコンビだ。
 ルイーズらは彼らの目的を知るよう依頼され、彼らとの”会話”を試みる。
その言葉は円のようなもので、かいもく見当がつかないが
コンピューター分析の結果、しだいに意味がわかってくる。
「武器を与える」
こう読んだルイーズだが、本当の意味はあるはず。
”ウエポン”ではなく”ツール”という意味なのだと。
しかし「武器」と聞いた軍や世界各国はざわつき、即攻撃準備に入る。
特に中国が臨戦態勢に入る。
当然、北海道でも”日本軍”は攻撃態勢に入ってるだろうね。
果たして彼らの伝えたいものとはなにか?
エイリアンとの戦争になるのか?
展開がルイーズの娘とのフラッシュバックがあったりして落ち着かない。
しかし、それがこのお話のキーだった。
いかにも映画らしい構成なので魅せる。
ルイーズの物語になっていたのだ。




ここからややネタバレなので注意・・・・・
















     




ルイーズはヘプトポッドとの会話で、特殊な能力を身につける。
映画の中でも「その国の言語話すと、考えも変わる」というシーンがある。
まさにそれだった。
いいとこつくなあ。
ルイーズが見ていたのは現在と未来だった。
エイリアンとの会話で得たのは未来を見る能力だったのか。
とういうか、このエイリアン達には時間の感覚がない。
現在も過去も未来も同一の世界に見えるようだ。
「時間の流れがない」とも言っていた。
「武器」のことばを聞いて、即”ウエポン”とし、
世界は疑心になり、宇宙船を攻撃すると言い始める。
特に戦闘モードになったのが中国だった。
いかにもの話だ。
北朝鮮でなくて良かったが。
アメリカも攻撃の態勢に入り、現場からの撤退を始める。
とにかく12の宇宙船のことを各国が調べているのに、その情報を出さないし
共有しようともしない。
各国は秘密保護とか言って大事なことは伏せる。
これは当然だろうが、いままさに地球規模の危機の際でも、こうして自国の利益だけを
追求するというのは滑稽だ。
当然、日本もこういう時は”のり弁”で公開するだろう。
おかげでエイリアンの言葉の解析も進まない。
こまったことだ。
ただ、ルイーズだけが会話ができるようになる。
細かなニュアンスまでわかり始める。
そう、お互いの言語のニュアンスで争いになることも多々。
だいたい恋人同士でも夫婦でも友人でも、些細な誤解からケンカになることもある。
わからなければ、勝手に解釈して自分にいいように判断する。
こうして誤解から争いが始まるのは世の常だ。
 ルイーズが得たのは「武器を与える」ではなく「言葉を与える」だった。
彼らは3000年前に来ており、今の人類のために新しい知識を与えようとしていた。
ルイーズはそのことを知るが、攻撃が間近に迫っている。
中国の態勢を止めれば世界の国も同調する。
中国の責任者、チャン将軍にこのことを伝えればいいのだが、連絡方法がわからない。
だが未来を知ることが出来る様になったルイーズは、将軍に会っていた。
将軍の妻のことも知っていた。
寸前で戦いは回避される。
全世界はヘプタポッドの知識を得ることになると、彼らは姿を消す。
ルイーズは未来が見るから、新しい夫のことや子供の未来も知ることになる。
夫はともに研究したイアンで生まれてくるのはハンナ。
ハンナはどちらから読んでも同じ綴り。
これってエイリアンの言葉のサークルのよう。
そう、サークルだから過去も現在も未来も繋がっているのだ。
そのハンナがガンで亡くなることもわかる。
でも彼女はこれを受け入れて新しい世界に歩み出す。
なんて感動的なんだ。
映画はシャッフルしてあるかのようで、その時はよくわからないが
観終わるとサークルがしっかりつながるような構成だ。
まさにヘプトポッドのサークルだった。


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
映画:メッセージ Arrival 21世紀版、エイリアンとのファーストコンタクト、は 映画初体験?!...
まずオープニングで舌を巻く。 ほんの数分で主人公の職業・経歴・経験値だけでなく、心の状態までもが露わにされる。 ほぼ平行して直ちに事件が発生、鑑賞者もその危機的状態に叩き込まれる! ...続きを見る
日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF ...
2017/05/21 07:47

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「メッセージ」 藤井龍二の馬耳映風/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる